Nexa Bridge
← Blog|越境EC

東南アジア越境ECの攻略ガイド|Shopee・Lazada・TikTok Shopで売るために知っておくべきこと

2026年5月7日

·

読了時間 約1

なぜ今、日本企業は東南アジア越境ECに注目しているのか

日本国内のEC市場は成熟が進み、新規参入や既存ブランドの成長余地は縮小しています。一方、東南アジアでは中間層の拡大・スマートフォン普及・SNS消費文化の浸透によって、EC市場が急成長しています。

さらに重要なのが、日本製品への高い信頼です。「高品質・安全」というブランドイメージが強く、美容・ヘルスケア・食品・ベビー用品カテゴリを中心に需要が拡大しています。国内で成熟しつつあるブランドにとって、東南アジアはまだブルーオーシャンに近い市場です。

本記事では、Shopeeをはじめとする主要プラットフォームの特性と、ASEAN越境EC参入で押さえるべき実践ポイントを解説します。

東南アジアEC市場の規模と成長

東南アジアのEC市場は、2024年時点で約1,590億ドル規模に達しており、2030年には3,000億ドル超に拡大すると予測されています(Google・Temasek・Bain「e-Conomy SEA 2024」)。

EC市場規模(2024年推定)成長ドライバー
インドネシア約620億ドル人口2.7億・モバイルEC浸透
タイ約220億ドル中間層拡大・ライブコマース
フィリピン約180億ドルSNS親和性・若年人口
ベトナム約165億ドル製造業発展・都市化
マレーシア約130億ドル高所得・越境需要
シンガポール約95億ドルデジタル成熟・高購買力

特に注目すべきは、東南アジアのEC利用者の約70%がモバイルファーストという点です。日本の「PC主導のEC体験」とは設計の前提が異なります。

国ごとに違う「ASEAN」を理解する

東南アジアを一括りにした戦略は機能しません。国ごとに消費者行動・SNS文化・競合環境が大きく異なります。

EC・マーケティングの特徴
インドネシア人口最大・価格競争が激しい。TikTok Shopの影響力が特に強い
タイ美容カテゴリが強く、ライブコマースが購買を左右する
ベトナムFacebook・Zaloの利用が根強い。口コミ・UGCへの信頼が高い
マレーシア英語対応がしやすく、日本ブランドの参入障壁が比較的低い
フィリピンSNS利用時間が東南アジア最長級。インフルエンサー影響力が大きい
シンガポール高所得層が多く、プレミアム価格帯の商品が狙いやすい

「まず1〜2カ国に絞って参入し、データを見ながら拡張する」アプローチが現実的です。

主要プラットフォーム比較

Shopee

東南アジア最大のEC兼ソーシャルコマースプラットフォームです。シンガポール発のSea Limitedが運営しており、インドネシア・タイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム・シンガポール・台湾で展開しています。

特徴

  • 月間訪問数:約3.5億回(東南アジアNo.1)
  • ライブコマース(Shopee Live)・ゲーミフィケーションが活発
  • 「Shopee Mall」でブランド公式ストアを開設可能
  • ローカライズされたプロモーション(11.11・12.12など)への参加が売上に直結

日本ブランドとの親和性 「日本製品=高品質・安全」のブランドイメージが強く、コスメ・ヘルスケア・食品・ベビー用品などは特に需要が高い傾向にあります。Shopeeの越境販売プログラム(Shopee Cross-Border)を使えば、国内倉庫から複数国への発送も可能です。


Lazada

Alibabaグループが出資する東南アジアの老舗ECプラットフォームです。インドネシア・タイ・マレーシア・フィリピン・ベトナム・シンガポールで展開しています。

特徴

  • Alibaba傘下のため物流インフラ(LEX)が充実
  • 「LazMall」でブランド公式ストアを開設可能
  • 越境販売プログラム「Lazada Cross Border」が整備済み

強みとなる市場 タイ・マレーシアでの存在感が特に強く、Lazada出店はこれらの国への参入に有効です。


TikTok Shop

TikTokの購買機能として急速に成長している「ソーシャルコマース」の代表格です。インドネシアを中心に、東南アジア全域で拡大しています。

特徴

  • 動画・ライブコマース → 購買がシームレスに完結
  • インフルエンサー(クリエイター)とのコラボが売上に直結
  • インドネシアでは2023年にTokopediaと統合
  • 若年層(18〜34歳)へのリーチが強力

向いているカテゴリ 美容・スキンケア・ファッション・ガジェットなど、「見て→欲しくなる」体験設計ができる商品と特に相性が良い。


Tokopedia(インドネシア)

インドネシア最大のローカルECプラットフォームで、現在はTikTok Shopと統合されています。インドネシア市場への本格参入には欠かせない存在です。

越境ECで日本企業が直面する主な課題

1. ローカライズ対応

英語・現地語での商品説明は必須です。タイ語・インドネシア語・ベトナム語など、各市場の言語に対応した商品ページを用意しないと、検索流入も獲得できず、ユーザーの信頼も得られません。

2. 物流・関税

各プラットフォームが提供する越境物流サービス(Shopee Xpress・LEXなど)の活用が現実的です。インドネシアは輸入規制が比較的厳しく、品目によっては現地パートナーが必要になることもあります。

3. 決済手段

現地では電子ウォレット・後払い・コンビニ払いが主流です。GrabPay・GoPay・PromptPayなど、国ごとに主要決済手段が異なります。クレジットカード普及率は日本より低いため、現地の決済慣行に合わせた対応が必要です。

4. プロモーション戦略

東南アジアのECユーザーはセール・割引・クーポンへの感度が高く、11.11・12.12・各プラットフォーム独自のキャンペーンへの参加が売上に直結します。「定価で売るだけ」では市場に埋もれます。

東南アジアD2Cで成果を出すための実務ポイント

実際にShopeeやTikTok Shopで売上を伸ばしているブランドの多くが、次の施策を組み合わせています。

  • 現地インフルエンサーの起用 — マイクロ〜ミドル規模が費用対効果が高い
  • TikTok Live・Shopee Liveの運用 — リアルタイムで信頼を構築しながら購買を促進
  • レビュー・UGCの蓄積 — 東南アジアのユーザーはレビュー数・星評価を非常に重視する

特に東南アジアでは、「商品そのもの」よりも「誰が紹介しているか」が購買に強く影響する傾向があります。インフルエンサーマーケティングとEC運用を分けて考えるのではなく、一体化した設計が重要です。

参入パターン別:どこから始めるか

パターン向いているケース
Shopee Mall(公式ストア)ブランド認知を優先したい・複数国展開したい
TikTok Shop+インフルエンサー若年層向け・ビジュアルで訴求できる商品
Lazada越境プログラムタイ・マレーシアを最初の市場にしたい
現地EC代理店経由リソースが限られており、現地知見をアウトソースしたい

まとめ

東南アジアの越境ECは、単に商品を出品するだけでは通用しません。

  • プラットフォームの特性理解(Shopee・Lazada・TikTok Shopはそれぞれ異なる)
  • 国ごとのローカライズ対応(言語・決済・文化)
  • インフルエンサー・ライブコマースを組み合わせたプロモーション
  • レビュー・UGC蓄積による信頼構築

この4点を押さえたうえで、まず1〜2カ国に絞って参入し、データを見ながら拡張していくアプローチが成功への近道です。


東南アジア市場は、国ごとに文化・SNS利用・購買行動が大きく異なります。単なる翻訳ではなく、「現地ユーザー視点」でのマーケティング設計が重要です。

NexaBridgeでは、日本企業向けにASEAN市場向けのインフルエンサーマーケティング・UGC活用・越境EC支援を提供しています。まずはお気軽にご相談ください。


出典

  • Google・Temasek・Bain「e-Conomy SEA 2024」
  • Shopee公式メディア・出店者ガイド(2025年版)
  • Lazada Seller Center 公式ドキュメント
  • TikTok for Business「Southeast Asia Commerce Report 2025」